6. 平仄式について
「韻」については、「5. 韻について」で説明したとおりで、大変難しいように思われます。 しかし、漢詩を作る場合には、「四声」をさらに大きく二つに分けて利用し易くなっています。すなわち、
| 平声 | 上声 | 去声 | 入声 |
|---|---|---|---|
| 平 韻 | 仄 韻 | ||
というように、韻を「平」と「仄」に分けています。 そして、漢詩はこの平仄の並べ方に一定の規約があり、それを「平仄式」と呼んでいます。 また、四声の圏点と同じように平仄も図で表わすことがよくあります。
- 平韻の文字 ○
- 仄韻の文字 ●
では、この○●を使って、七言絶句の平仄式を見てみましょう。七言絶句には、次の二種類の平仄式があります。
- 七言絶句平起式(起句第二文字目が平字)
- 起句 ○○ ●● ●○○韻
- 承句 ●● ○○ ●●○韻
- 転句 ●● ○○ ○●●
- 結句 ○○ ●● ●○○韻
- 七言絶句仄起式(起句第二文字目が仄字)
- 起句 ●● ○○ ●●○韻
- 承句 ○○ ●● ●○○韻
- 転句 ○○ ●● ○○●
- 結句 ●● ○○ ●●○韻
このとき起承転結は文章を書く場合のそれとまったく同じ意味です。 また、どちらの公式にも第一句、第二句、第四句の最後に「韻」と書いてありますが、これが、
- 韻を踏む
ということです。すなわち、「韻を踏む」とは、 一三四句の最後の文字の韻がすべて同じ韻でなければならないことを意味します。 しかも、七言絶句の場合、それはさらに「平声」の韻でなければならないことに注意しなければいけません (仄声の韻を持つ七言絶句は極めて希です)。 また、公式自体の規則性としては、起句と結句の平仄式は同じであり、転句は起結句の逆になっていることがわかります。 また、承句も上四字は起結句の逆であり、下三字は起結句が「●○○」ならば「●●○」、「●●○」ならば「●○○」となります。 さらに、平起式と仄起式の違いは、起承の入れ換えとなっています。 では、参考までに七言絶句以外の主な詩形の平仄式を次に示しておきます。なお、○は平字、●は仄字、◎は韻字を意味します。
- 五言絶句平起式
- 起句 ○○○●●
- 承句 ●●●○◎
- 転句 ●●○○●
- 結句 ○○●●◎
- 五言絶句仄起式
- 起句 ●●○○●
- 承句 ○○●●◎
- 転句 ○○○●●
- 結句 ●●●○◎
- 五言律詩平起式
- 起聯 ○○○●● ●●●○◎
- 頷聯 ●●○○● ○○●●◎ (頷聯の二句は対句)
- 頸聯 ○○○●● ●●●○◎ (頸聯の二句は対句)
- 結聯 ●●○○● ○○●●◎
- 五言律詩仄起式
- 起聯 ●●○○● ○○●●◎
- 頷聯 ○○○●● ●●●○◎ (頷聯の二句は対句)
- 頸聯 ●●○○● ○○●●◎ (頸聯の二句は対句)
- 結聯 ○○○●● ●●●○◎
- 七言律詩平起式
- 起聯 ○○●●●○◎ ●●○○●●◎
- 頷聯 ●●○○○●● ○○●●●○◎ (頷聯の二句は対句)
- 頸聯 ○○●●○○● ●●○○●●◎ (頸聯の二句は対句)
- 結聯 ●●○○○●● ○○●●●○◎
- 七言律詩仄起式(起句第二文字目が仄字)
- 起聯 ●●○○●●◎ ○○●●●○◎
- 頷聯 ○○●●○○● ●●○○●●◎ (頷聯の二句は対句)
- 頸聯 ●●○○○●● ○○●●●○◎ (頸聯の二句は対句)
- 結聯 ○○●●○○● ●●○○●●◎
