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漢詩作法入門講座

漢詩のための参考図書

このWebページでは、主に漢詩を作る人を対象とした、作詩のための参考書について説明しています。

注意
下記文中の価格は、すべて私が所持している本の価格です。現在では、消費税や価格改定によって実際の価格と異なることがあります。また、絶版、出版社の事情により入手できなくなっているものもあると思われます。ご注意ください。

内 容

作詩には、ぜひとも必要

まず、作詩を行う場合、次の本は絶対必要なものです。この本が無ければ、初心者には詩が作れぬと言っても過言ではないくらいの名著です。

この本は、著者が呉三津田高校在職中に指導されていた中国詩研究会の生徒に詩を作らせるために用意された詩語表がもとになっており、それに絶句から律詩、古詩に到るまでの作法がついて完成したものです。高校生を対象にしたものが基本ですから、その内容は簡潔明解、漢詩作法入門として、ぜひとも必要な一冊です。

これ以外の入門書としてお薦めするのは、次の一冊です。

これは、すべての詩語に意味と読みが記されており、小学生でも漢詩が作れると言われた名著です。しかし、残念ながら詩語は四季のものしかなく、雑の部が用意されていません。以上の二冊は共に一般の書店では入手できないので直接申し込む必要があります。連絡先は、次の通りです。

辞典

次に必要になるものは、漢和辞典です。辞典としては次の三冊をお薦めします。

故事についても多く掲載されていて、作詩にはとても役に立つが、反面読みにくい辞典でもある。ただ、真面目に作詩に取り組むためには、ぜひとも購入したい1冊です。

『字源』の携帯版ともいうべき漢和辞典です。『字源』に比較すると、収録語数、説明などで若干省略されているが、価格的に手頃であり、最初の1冊としては無難な辞典です。

『新字源』とほぼ同程度の辞典ですが、この辞典には、コンピュータで漢字を扱う場合の漢字コードも掲載されていて、ワープロを使っている人には大変重宝な辞典です。また、この辞典は多くの高校でも採用されているようです。

作詩に役立つ参考図書

上記の本と辞典があれば、初心者にも漢詩を作ることができます。まずは、これらの本と辞典を活用して詩を作って見てください。こうして詩を作る要領がつかめてくると、「詩」というものを考えて作詩をする必要が出てきます。そのためには先人の作品を研究しなければなりません。そこで、必要になってくるのが作詩の手本です。

書 名著 者出版社価 格
『評釈と詩話 漢詩の再吟味』太刀掛呂山呂山詩書刊行会2,000円
『漢詩の手本』第一輯〜第八輯太刀掛呂山呂山詩書刊行会各2,000円
『中国名家詩選』第一輯〜第二輯太刀掛呂山呂山詩書刊行会各2,000円
『和漢名詩類選評釈』簡野道明明治書院5,300円
『日本漢詩(上・下)』新釈漢文大系猪口篤志明治書院各4,944円
『中国名詩鑑賞辞典』山田勝美角川書店2,900円
『日本漢詩鑑賞辞典』猪口篤志角川書店絶版

これらの本のうち、「呂山詩書刊行会」のものは単なる鑑賞書ではなく、作詩のために参考となることを主眼に詩が選択されています。また、作詩上の注意など作詩者のために書かれた貴重な本です。「和漢名詩類選評釈」は、和漢の名詩が感懐、節序などに分類されており、一冊でより多くの詩を見るにはとても便利なものです。「日本漢詩」は、日本漢詩について古代から近代に到るまでの代表的な詩人について解説されており、とくに詩人の伝については詳細に記述されています。角川書店のものも良書です。ただし、「日本漢詩鑑賞辞典」は絶版となっているため入手するためには古本屋に行かなければならないでしょう。どの本も作詩のための本ですから、ただ読むだけでは効果はありません。「読み、作る」、これを繰り返すことが上達への早道であると思います。

作詩専用の参考図書

多くの詩に接して、また多くの詩を作るうちに漢和辞典では不便な面に出会うようになります。それは、漢詩においては平仄、韻字が問題になるわkですが、ある漢字が下にくる熟語を探すとき、普通の漢和辞典ではなかなか探すことができません。また、いろいろな詩題に接するうちに、その題に関連する故事、あるいは詩語を探すときなども漢和辞典ではやや調べにくいところがあります。そこで便利なのが次のような図書です。

書 名著 者出版社価 格
『韻別詩礎集成』服部承風書藝会13,500円
『平仄便覧』呂山詩書刊行会1,500円
『円機活法』呂山詩書刊行会10,000円
『詩韻含英異同弁』石川梅次郎松雲堂書店3,500円

「韻別詩語集成」は、韻、平仄別に三字詩語が五万余り収録されており、それぞれに簡単な意味が付されています。これは「だれにもできる漢詩の作り方」を補うものとして役に立ちます。「平仄便覧」は、各漢字の平仄が平か仄か、あるいは両韻かを手早く検討することができます。ただ、それよりも役に立つのは、言い表したい日本語を漢字ではどのように表現するのかその手掛かりを得ることができるところにあります。例えば、「アサ」という言葉で調べると「朝・晨・旦・麻」の四文字が出ており、「朝昼晩」の「アサ」であれば、「朝・晨・旦」の三文字が該当するので、その字を元にして、漢和辞典を調べていくことができます。「円機活法」は天文・樹木などの各部門に分かれており、さらにその中に「天・星・梅・竹」などのように分かれて、関連する故事、名句、詩語が出ています。ただし、全漢文なので初心者にはやや難しいです。「詩韻含英異同弁」は、韻書と呼ばれるもので、これも全漢文です。ただし、これは詩人必携の書と言われており、ぜひとも使いこなせるようになって欲しいと思います。なぜこのような書物がいるのかというと、それは、現在の漢和辞典に出ている平仄には詩に使わぬ平仄まで出ており、平仄を調べるということに関しては非常に使いにくい面があるからです。我々が、平仄を問題にするときには、必ずこの「詩韻含英異同弁」で検討することになります。また、この「詩韻含英異同弁」では韻の漢字が下にくる二字、三字の詩語が沢山出ているので作詩の際には非常に有用です。

作詩の秘訣についての参考図書

詩に関する本の中に「詩話」というものがあります。これは、作詩に関するいろいろな注意事項や秘訣について述べられたものです。

書 名著 者出版社価 格
『呂山草堂詩話』第一輯〜第四輯太刀掛呂山呂山詩書刊行会各2,000円
『漢詩読本』安岡正篤福村出版1,700円
『近世文学論集』日本古典文学大系岩波書店絶版?

「呂山草堂詩話」は、著者が漢詩の添削指導を通して初心者誤りやすいことについての話題が豊富に出ています。「漢詩読本」では、詩とは何か、ということについて、また、作詩上のいくつかの規約について説明されています。「近世文学論集」は古本屋でなければ手に入りません。

その他の作詩・鑑賞に関する参考図書

書 名著 者出版社価 格
『唐 詩 選』上・中・下前野直彬岩波文庫上巻 410円
中巻 720円
下巻 620円
『三 体 詩』全四巻村上哲見朝日新聞社一・二巻 391円
三巻 330円
四巻 433円
『玉台新詠集』上・中・下鈴木虎雄岩波文庫上巻 720円
中巻 770円
下巻 770円
『杜甫詩選』黒川洋一岩波文庫720円
『王維詩集』小川環樹ほか岩波文庫570円
『蘇東坡詩選』小川環樹ほか岩波文庫620円
『李賀詩選』黒川洋一岩波文庫570円
『陶淵明全集』上・下松枝茂夫ほか岩波文庫各460円
『良寛詩集』大島花束ほか岩波文庫620円
『頼山陽詩抄』頼成一ほか岩波文庫570円
『逍遥遺稿』笹川臨風ほか岩波文庫520円
『漱石詩注』吉川幸次郎岩波新書620円
『新唐詩選』吉川幸次郎ほか岩波新書520円
『新唐詩選続篇』吉川幸次郎ほか岩波新書550円
『江戸詩人選集』全十巻岩波書店
『江戸漢詩選』全五巻岩波書店
『中国詩人選集第一集』全十八冊岩波書店
『中国詩人選集第二集』全十五冊岩波書店
『唐詩歳時記』植木久行講談社学術文庫1,000円
『中国詩人伝』陳舜臣講談社文庫780円
『李白』松浦友久教養文庫560円
『漢文入門』魚返善雄教養文庫440円
『唐詩新選』陳舜臣新潮文庫400円
『陶淵明伝』吉川幸次郎中公文庫400円
『海棠花』子規漢詩と漱石飯田利行柏書房2,400円
『森鴎外の漢詩』上・下陳生保柏書房各4,800円
『漢詩のイメージ』佐藤保大修館書店2,575円
『漢詩の風景』石川忠久大修館書店1,550円
『漢詩のこころ』石川忠久時事通信社1,648円
『漢詩の楽しみ』石川忠久時事通信社1,750円
『漢詩の魅力』石川忠久時事通信社1,800円
『漢詩を読む』NHK文化セミナー石川忠久NHK出版780円
『擔風詩集』服部擔風書藝会6,695円
『萬首唐人絶句』全五巻太刀掛呂山書藝会38,625円
『御選金詩』全二巻太刀掛呂山書藝会9,785円
『仰臥漫吟稿』太刀掛呂山呂山詩書刊行会1,500円
『呉蘭雪絶句注』上・中・下太刀掛呂山呂山詩書刊行会各1,500円
『空谷詩注』太刀掛呂山呂山詩書刊行会1,500円
『呂山草堂詩』太刀掛呂山呂山詩書刊行会1,500円
『呂山遺稿』太刀掛呂山呂山詩書刊行会6,000円


(C)Copyright 滄洲 山下弘隆 (e-mail:yamasita@hitp.ac.jp)


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